ワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団演奏会@サントリーホール(2019年12月5日)

 木曜夜のゲルギエフ指揮マリインスキーの『悲愴』はすごかった。豊かな色彩感と圧倒的な馬力を保ちつつ、親分の指先ひとつで嘘のような高速で華麗に走り回ったり、形を失うギリギリまで延びていったり……1楽章ですでに完全に地獄の窯の蓋が開いたのを見た気分だった。下に引用したブリューゲルの「叛逆天使の墜落」とか、ベーコンの歪んだ顔のあれこれとか、聴…
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マリインスキー歌劇場来日公演、《マゼッパ》(演奏会形式)@サントリーホール(2019年12月2日)

 三月にマリインスキーまで行って観てきたこの作品、もちろん写真のような時代がかった舞台がついているのも本当に面白かったんだけれど、今日は心底サントリーで聴ける機会があってよかった!と思った。特に、こんな豊かな響きでこの曲の合唱を聴けることなんてまずないでしょう。ピットからステージに出てきたオケの迫力もダイレクト。いまやむしろ《スペード》…
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「青龍社創立九十年特別展 龍子と同時代の画家たち」@大田区・龍子記念館(2019年11月29日)

 川端龍子という画家、山種美術館で見た「鳴門」で気に入って、先月は京都の堂本印象美術館でちょうど行けるタイミングで展覧会があるというので観に行った。そこで知ったのが今回の展覧会。彼が院展を脱退して作ったグループ「青龍社」の創立九十年特別展ということで、彼本人が自分の喜寿に設立したという大田区立龍子記念館へ。会期がこの日曜、12月1日まで…
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【《スペードの女王》予習篇・1】1幕「トムスキーのバラッド」だけでも押さえよう!

 まもなく開幕のマリインスキー歌劇場《スペードの女王》予習用に、全体を理解する鍵となるトムスキーのバラッドを紹介しようと映像を探したら、演奏会でホロストフスキーが歌っているのがあったので!紹介!舞台ではちょっとない配役だけど(どうしたってエレツキーでしょ!)、さすがにカッコいい!以下、再生場所を指定できる特性を生かし、ちょっとこのバラッ…
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アンセルム・ウェーバー演出《ムツェンスク郡のマクベス夫人》 @ フランクフルト歌劇場(2019年11月10日)

 フランクフルトの今季のスケジュールを観た時、アニヤ・カンペのカテリーナと、アスミック・グリゴリアンのマノンがどちらもとても気になっていた。マノンはあきらめたけれど、カンペのカテリーナをこのサイズの劇場で聴くことができたのは本当に嬉しかった(2016年、バイエルンのペトレンコ指揮の同作品で聴いた時も本当に素晴しかった https://…
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「メイキング・ヴァン・ゴッホ」展 @フランクフルト・シュテーデル美術館(2019年11月8日)

 先週末、2泊弾丸でハノーファー行。フランクフルト便早朝着だったので、まずは午前中にシュテーデル美術館ヘ Making Van Gogh展を見に行った。まずはいつもはないチケットスタンドが外にできていて行列が。ここがこんなに混んでいたのを初めて見た!ゴッホ様の人気はどこでもスゴい。ちなみに、オンラインチケットを買っておけば並ばずに入れる…
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ローザンヌのアール・デコな街並み(2019年3月20日)

 先日ベルギーのリエージュについてアルバムをつくったので、3月のスイス・ローザンヌの素晴らしさも残しておかねば!とカメラロールをさかのぼってみた。ヘアマン演出《ナクソス島のアリアドネ》をドレスデンで観損ねたのでここまでやってきたのにもかかわらずオペラはイマイチ。劇場の力量的にも再訪はビミョウなところ……ではあったけれど、とにかく街が魅力…
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リエージュのアール・デコな街並み(2019年9月17日)

9月の旅行で十数年ぶりに訪れたリエージュ、3月のローザンヌと同じく、20年代前後に豊かな時代があって、その頃ステキな建物をいろいろ建てたような感じです。旧市街の真ん中の商店街はみんなこんなファサード。美しい。美術品というほどでなくても、生活空間にこういう贅沢が混じっているところがいいのです。よくぞ遺してくれた。 最後に…
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カリン・バイヤー演出《鼻》@ハンブルク歌劇場(2019年9月13日)

 すっかり遅くなってしまったが、9月のプレミエ祭りの落穂ひろい。ハンブルクのドイツ劇場のほうのインテンダントでもあるという Karin Beier による、いわゆる不条理劇のはずの《鼻》へのあらたなアプローチを観た。  「鼻がなくなる」というのは不条理な異常事態である。だがバイヤー演出では、たぶん力点はそこにはない。それによって、「多…
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ハンブルク分離派展100周年記念展@ハンブルク・クンストハレ(2019年9月13日)

ハンブルクのゼゼッション100周年ということで8/30~1/5で記念展。1919年12月14日にハンブルクの分離派展第一回がここで開催されたのだそうです。このクンストハレ自体が150周年で記念展も。 https://www.hamburger-kunsthalle.de/en/exhibitions/100-years-hamburg…
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栗山民也演出・井上ひさし『組曲虐殺』@天王洲銀河劇場(2019年10月21日)

 井上ひさしの遺作『組曲虐殺』が、2009年初演、2012年再演に続いて再々演され、今回ようやく観ることができた。  特高に追われながらも文筆活動を続けた小林多喜二の生涯。故郷の姉・酌婦から救った元恋人・活動を共にした妻が入り混じる、普通にやったら男女関係だけで相当どろどろになるはずの話が、こうまで生々しくならないのはやはり井上芳雄が…
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マーク・スチュアート演出『ジーザス・クライスト・スーパースター in コンサート』@シアターオーブ(2019年10…

 「コンサート形式」という前提だったはずなのだけれど、演出家の名前はクレジットされているし、ハンドマイクながら、四段に組まれた台座を行き来する動きはほぼ舞台上演(バンドはその間にいくつかに分かれて演奏していた)。  2Fから見てたので余計そう思うのだろうけど、客席からのアンサンブルの入場という開幕の瞬間から、客席も演技空間に取り入れて…
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トーマス・オスターマイヤー演出『暴力の歴史』@東京芸術劇場(2019年10月24日)

 今回の東京芸術祭の上演作品は3本とも素晴しかった。クリャービン演出『三人姉妹』、ナンシー・ブラック演出/デューダ・パイヴァ『BLIND』、トーマス・オスターマイヤー演出/エドゥアール・ルイ『暴力の歴史』、どれも忘れがたい強烈さをもった作品だった。こういうレベルの作品を、月に1本でも観られたら……と思う。来年の招聘作も楽しみ。 …
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マシュー・ダンスター翻案・演出『オイディプス』@シアターコクーン(2019年10月17日)

 「疫病におびえるテーバイ」がああいうシェルター風になるのはまぁ分かる。汚染は病気?放射能?人間自身の愚行のせいで、人が生きられる空間が限定されてしまっている世界。コンヴィチュニー演出《サロメ》を思い出す舞台風景。  オイディプスがイオカステと再婚してもう20年?子どもの存在を考えるとそのくらいは経っているか。先日のクリャービン…
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日澤雄介演出・古川健『治天ノ君』@東京芸術劇場、シアターイースト(2019年10月10日)

 劇団チョコレートケーキの噂の名作に再々演でようやく邂逅。きっちりした王朝モノは、シェイクスピアっぽくなるのだな……と思った。二代に渡る父と子の葛藤、「王である」ことの意味とは、献身的な臣下たち、生まれる陰謀、苦しむ王。  天皇について、大隈重信(佐瀬弘幸)から、最期の謁見だからこそのぶっちゃけ発言、「自分たちがつくった神…
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イケムラレイコ展@バーゼル市立美術館(2019年8月28日)

  バーゼル市立美術館にケントリッジを見に行った日には、「イケムラレイコ展ーあたらしい海へ」も開催中でした。9月1日までだったそうなので、駆け込みで見られた感じだったのね。 最初の「メメント モリ Memento Mori」(2013/18) という白い横たわる人形と、「欲望の庭 Garden of Desire」(1983)の…
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シンポジウム「アジアから世界へ~オペラ公演制作におけるグローバリゼーション」@昭和音楽大学(2019年9月9日)

 新国立劇場オペラ芸術監督の大野和士、ソウル市オペラ団団長・演出家の李京宰、朝日新聞編集委員の吉田純子を招き、日韓オペラの歴史と現在、それぞれの強みと今後の協力の可能性について語り合った。司会・コーディネーターは石田麻子昭和音大教授。  まず李氏から韓国でのオペラの上演状況について、団体数・上演数・教育状況・新作・フェステ…
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ウィリアム・ケントリッジ展@バーゼル市立美術館(2019年8月28日)

 バイロイトからニュルンベルクの列車が工事でキャンセルになったため、6:24に乗るはずが朝5時の列車で途中まで行きバスに乗り換えに。さすがに眠い……しかし、やっぱりたくさん見ることで繋がって行くこともあり、来て良かった。会場には現代アート専門の別館まるまるを使って、初期作品から現在ワークインプログレスのものまで多彩に並ぶ。3時間ちょっと…
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TIMES TOKYO 2019 @ 同仁キリスト教会(2019年9月4日)

 山本純子のピアノをメインに、鈴木俊哉のリコーダーソロ1曲、デュオ1曲の一夜。前半は「ベルリンの桜 Berliner Kirschblüte」が面白かった。「さくらさくら」と「ベルリンの風」という日独テッパンの旧知のメロディーがラッヘンマンという影にのっとられていく!(笑)一方 Marche fatale は行進曲としての「枠」がもっと…
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