「メイキング・ヴァン・ゴッホ」展 @フランクフルト・シュテーデル美術館(2019年11月8日)

 先週末、2泊弾丸でハノーファー行。フランクフルト便早朝着だったので、まずは午前中にシュテーデル美術館ヘ Making Van Gogh展を見に行った。まずはいつもはないチケットスタンドが外にできていて行列が。ここがこんなに混んでいたのを初めて見た!ゴッホ様の人気はどこでもスゴい。ちなみに、オンラインチケットを買っておけば並ばずに入れるので、まぁ中の混雑は一緒だけれど、旅行者で時間を無駄にしたくない人は利用をおすすめ。
 夏はひまわり、秋は紅葉と、黄色が似合う男ゴッホ。

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 MakingVanGogh展は、ドイツでのゴッホの受容に焦点を当てた展覧会。ドイツでどういう人が中心になってどんな作品が買われたか、どんな風に人気が出たかなどを、多角的に展示。生前は成功に恵まれなかったゴッホだが、1890年の死後、義理の妹のJohanna can Gogh-Bonger と画商のPaul Cassirerが各地で展覧会を開催したことが彼の名声をつくっていったよう。

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ドイツで最初にゴッホ作品を買ったのがここシュテーデル美術館で、当時の館長 Georg Swarzenskiがナチス台頭の流れでアメリカに移住を余儀なくされたという話などもあり。これはごく初期に購入された『医師ガシェの肖像』に関する解説。

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この「オーベールの家々」は Georg Swarzenski が渡米後キュレーターとして転職したボストン美術館所に所蔵されている。有名な「オーベールの教会」と同じ、独特のラピスラズリのような青が魅力的。

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 有名になると贋作が出る、というので展示されていた「自画像」もどき、見た瞬間にぷっと笑ってしまった……つぶらな瞳のせい?おちょぼ口のせい?(笑)

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 展覧会の第二部は「影響」というタイトル。キルヒナーやノルデなどのブリュッケの皆さんが Van Goghiana と呼ばれるゴッホ・マニアだった……と言われれば、作風を思えばなるほどという感じ。今回は特に、題材でも影響を与えれそうな作品が並べられている。ただ、たとえばエーリッヒ・ヘッケル「白い家」という作品なんか典型だけど、ムンクっぽくもあるのでは。ムンクとゴッホの近さをあらためて感じた。

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ムンク「アスガートストランドの道」。白い家はちょっと遠いけど。
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キルヒナー「イーゼルの前のエーリッヒ・ヘッケル」

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ノルデ「とうもろこし畑で」

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 「農婦」テーマの絵をゴッホの絵も入れて三枚並べる、ような企画も。

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 第三部は「画風 Painting Style」というタイトル。その中の、「太陽」というモチーフがドイツ表現主義に影響を与えた作品群の中にオットー・ディックスまで。WWI 直前に描いたという「日の出」(1913)の黒い大地と不気味な鴉の群れは、さらにこの向こうにアンセルム・キーファーが見える感じ。写真は2015年ポンピドゥーから。

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そういえばムンクにもこんな太陽があった!(1911-16)
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 シュテーデルの常設にはいろいろ面白いものがあったのだが、その中でもキルヒナーの原画をタペストリーにした『人生 Das Leben』(1928/32)はちょっと変わり種。これはその一部だけど、しっかりキルヒナー。一応全体図も。

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 シュテーデルの常設には、小品ながらモローの『ピエタ』も。

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 マックス・ベックマン『サクソフォーンのある静物』

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 また一枚リオネル・ファイニンガー The Village Pond of Gelmeroda(1922)

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エドワルド・ムンク『嫉妬』(1913) 色は濁り気味だけれど、厚塗りの筆致とか渦っぽさとか、ゴッホに通じるところは大だと思う。前述の「太陽」のテーマでも、ムンク美術館に写真だけあった大作を思い出したし。

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 あと世紀末っぽいところではフォン・シュトゥック『アダムとイヴ』、マックス・リーバーマン『サムソンとデリラ』なども。何度来ても毎回楽しい美術館。

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